飲食店検索サービスに関する調査【中編】

若年層リサーチ結果を発信する「TesTee Lab」にて、男女16,007名(10代6,542名、20代4,261名、30代以上5,204名)を対象に飲食店検索サービスに関する調査を実施しました。

今回ご紹介する中編では「食べログ」利用者に焦点をあて、WEBサービスとアプリでの差異を調査しました。

食べログのWEBサービス、アプリでの予約頻度や満足度の違いなど、調査の結果を御覧ください!

飲食店検索サービスに関する調査【前編】ならびに飲食店検索サービスに関する調査【後編】と併せて御覧ください。

20代がメイン層!食べログ利用者基本情報

まず、男女16,007名を対象に直近1年以内の食べログ利用率を調査しました。

食べログ利用率調査<男女16,007名(10代6,542名、20代4,261名、30代以上5,204名)>

直近1年以内に食べログを利用したと回答した人(以下、食べログ利用者)は20代が最も比率が高く、49.2%と約半数の人が利用していました。また、男性よりも女性の利用率の方が高いこともわかりました。

さらに、食べログ利用者を対象に
・会員属性
・予約経験
・「お店の見つけやすさ/予約のしやすさ/操作性/クーポン・特典の豊富さ」4項目の満足度

について調査しました。

食べログ利用者基本情報<男女6,124名(10代1,901名、20代2,096名、30代以上2,127名)>

食べログ利用者の中で会員登録をしている人は約4割となりました。

また、53.0%と半数以上の人が実際に食べログを通じて予約を行ったことがあると回答しました。

 

そこで、食べログを通じて予約を行ったことがない人を対象に、その理由を自由回答にて調査しました。

「そもそも飲食店に行く時に予約をしない」という回答が最も多く寄せられました。その他の回答としては、以下の通り「直接電話をしたほうが安心」「クーポンが少ない」といった声が挙がりました。

<電話をしたほうが安心>

電話番号がわかればそちらの方が早い気がするから(34歳 女性)

電話の方が予約と同時に細かな点を確認できる(54歳 男性)

<クーポンが少ない>

クーポンなどの特典が他のサイトより劣っているから (23歳 男性)

クーポンが付いてない (45歳 女性)

また、

情報収集として使っているから (21歳 男性)

食べログのメインの使用目的が「お店の情報を知りたい」であり、「予約をしたい」ではないから。 (30歳 男性)

予約をするほど頻繁に外食しないのでお店の雰囲気を調べるのに使用しています。(51歳 女性)

といった回答も寄せられました。
食べログを利用しているけれど予約まではしない人の食べログ利用時の行動フローとしては、食べログで情報収集後、①直接お店に行く ②他のサイトで予約する ③電話で予約するの3パターンが考えられます。

食べログ上で予約する人を増やすためには、情報収集先としての食べログ利用にとどまるユーザーを、どのように予約まで誘導するかが課題となりそうです。

 

WEBサービス/アプリ利用者別行動比較。アプリ利用者はサービス満足度が高く、アクション率も高い

次に、食べログのWEBサービスとアプリの利用比率を性年代別で調査しました。

食べログWEBアプリ利用率比較<男女6,124名(10代1,901名、20代2,096名、30代以上2,127名)>

アプリ利用率は女性よりも男性の方が高い傾向にありました。年代別で見ると、年代が上がるに連れてアプリ利用率も高くなることがわかりました。

また、WEBサービスのみで食べログを利用している人を対象に、食べログをお気に入り登録しているかについて調査すると、「お気に入り登録している」と回答した人は16.8%と2割に届きませんでした。このことから、食べログのWEBサービス利用者の大半は検索経由で利用していると考えられます。

続いて、食べログのアプリ利用者に焦点をあて、
・会員属性
・予約経験
・「お店の見つけやすさ/予約のしやすさ/操作性/クーポン・特典の豊富さ」4項目の満足度
の各項目を集計しました。

食べログアプリ利用者基本情報<男女1,856名(10代525名、20代611名、30代以上720名)>

満足度についてはどの項目においても、食べログ利用者全体よりもアプリ利用者での評価が高くなっていることがわかりました。

また、予約経験率においては「予約あり」と回答した人が65.5%と食べログ利用者全体よりも10%以上高く、「頻繁に予約する」と回答した人もアプリ利用者の方が高い数値となりました。

さらに、食べログWEBサービス利用者とアプリ利用者を対象にNPS®調査を実施しました。
※NPSとは(参照【アプリリサーチ第一弾】レシピアプリに関する調査)

食べログ利用者NPS調査<男女6,124名(10代1,901名、20代2,096名、30代以上2,127名)>

食べログ利用者全体、WEBサービス利用者ではNPSはマイナスとなり、アプリ利用者ではNPSが0.1とプラス域になっています。

以上の調査結果から、アプリ利用者はWEBサービス利用者と比べて食べログファンと言える人が多く存在すると言えそうです。さらに詳細なNPSの分析は、「飲食店検索サービスに関する調査【後編】」にて行っていきます。

 

食べログアプリの利用きっかけは?

食べログアプリ利用者は、どのようなきっかけで利用を開始しているのでしょうか?

食べログアプリ利用者を対象に、アプリをダウンロードした流入元について聞きました。

食べログアプリ利用者流入きっかけ<男女1,856名(10代525名、20代611名、30代以上720名)>

アプリ利用者の流入元としては、「アプリストア検索」が最も多く52.5%、続いて「食べログのWEBページ」で39.7%となりました。

さらに、ダウンロードしようと思った理由について尋ねたところ、「検索がスムーズ」との回答が最も多く48.7%、次いで「利用頻度が多いから」が35.5%、「ポイント還元」が19.1%という結果になりました。

また、「友人や知人の紹介」が18.3%と、アプリ利用者の5人に1人が友人や知人からの紹介をきっかけにアプリを利用しはじめていることもわかりました。

続いて、アプリを利用していない人を見てみましょう。

WEBサービス利用者に対して食べログアプリの認知について調査すると、47.8%が食べログアプリを認知していることが判明しました。

アプリ認知者を対象にアプリを利用しない理由を尋ねました。

<容量の問題>

携帯の容量が重くなるかなと心配になるから (16歳 女性)

アプリが多いと手間がかかるので。電池も長持ちさせるために必要以外のアプリはほとんど入れてません。 (45歳 男性)

<WEBサービスで問題ない>

ブラウザーと同じなのにわざわざアプリを使う理由がわからない、ブラウザーなら検索で他のサービスも見れて比較が楽 (23歳 男性)

そこまで頻繁に使わないし、そのお店をGoogleで二重に調べたりするのに便利だから (15歳 女性)

ネットで調べたら出るので、アプリに入れるほどでもない (19歳 女性)

上述の通り、「容量の問題」と「WEBサービスで問題ない」との意見が特に多く挙がりました。

「容量の問題」は食べログアプリだけではなく、全てのアプリが抱える課題と言えるでしょう。

「WEBサービスで問題ない」という意見においては、「他サービスとの併用時の利便性を重視する」という回答と「アプリ利用へのメリットを感じない」という2種類の回答が多く見られました。

「アプリ利用へのメリットを感じない」と回答した人については、彼らが求めているニーズを汲み取り、それに応える施策を展開、適切に訴求することによってアプリを利用する可能性が高まりそうです。

では、WEBサービス利用者は飲食店検索時にどのようなポイントを重視しているのでしょうか?次章で確認していきます。

 

アプリへ誘導するための鍵は「安心感」?

食べログのWEBサービス利用者とアプリ利用者それぞれが、飲食店検索サービスに求めているものは何でしょうか?

食べログアプリ/WEB利用者別重視する点<男女6,124名(10代1,901名、20代2,096名、30代以上2,127名)>

WEBサービス利用者は、価格帯やメニュー・商品の写真といった店舗情報と口コミ・レビュー・星の数といった評価を重視する傾向があるようです。どのくらいの金額感でどのようなメニューを楽しめるのか、また、それに対する評価は妥当なのか、というように総合的に判断したいと考えている人が多いのかもしれません。

一方、アプリ利用者ではWEBサービス利用者と比較すると、クーポン・特典を重視する傾向があるようです。アプリ版の特典の一つである「Tポイント2倍」が利用を後押ししている可能性も考えられます。
しかし、他項目と比較すると重視するポイントとして数値が低いことから、クーポン・特典はWEBサービス利用者をアプリ利用者へと誘導する決め手とまではいかないのかもしれません。

また、WEBサービス利用者において「NPSの点数をつけた理由(アプリ非利用者)」から、自由回答を抽出しました。

店舗情報の数がダントツ多いので検索しやすい点はオススメできるが、レビューに関しては鵜呑みできるものではないと感じるから (6点 23歳 女性)

使いやすいが、正直正確なレビューでは無いかなぁと思ったから (7点 15歳 男性)

信憑性に疑問があるので (2点 42歳 男性)

掲載されているレビューや評価に対しての不信感が残るようです。

WEBサービス利用者においては、「飲食店検索サービスの利用」が目的となっており、サービス自体のファンは少ないことが伺えます。サービス自体への好感度を上げることもアプリ利用者を増やす重要な要素として考えられます。

また、アプリとWEBサービス両方を利用している人を対象に「WEBサービスとアプリの使い分け」について、自由回答にて調査すると以下のような回答が得られました。

アプリはじっくり。WEBはすぐしたい時 (21歳 男性)

ウェブで探して詳しく見るためにアプリ (32歳 女性)

食べたいお店を調べるのはまずウェブから調べて、食べログに載っていたらアプリでみる (29歳 男性)

まずはWEBで検索して、アプリを持っている人はそこからじっくり検索や予約を行うようです。

 

サービスのファンを増やすためには・・・?

食べログ調査ユーザー行動醸成フロー

前回調査で食べログが利用率第一位になったことからも、食べログは「認知」から「サービス利用」までは達成できていると言えそうです。

さらに、食べログにおいて、予約数の増加を達成するためには、

①情報収集のみで利用しているユーザーに予約行動を起こしてもらう

②食べログを介して店予約をしているユーザーをサービス内に囲い込む

の2点が必要だと推測されます。今回の調査から

①に関しては、「クーポン・特典をより豊富にする」「予約機能の利便性を高める」といったサービス改善を、②に関しては食べログ自体のファンを増やすことが効果的であると考えられます。

サービスのファンを増やすための、重要な指標としてNPSがあります。

「飲食店検索サービス【後編】」ではNPSの分析を中心に、ロイヤリティの高いユーザーやサービスのファンを増やす方法を探っていきます。

あとがき

以上、食べログ利用者に焦点をあてWEB版とアプリ版での差異をまとめた「飲食店検索サービスに関する調査結果【中編】」をご紹介しました。

前回の「飲食店検索サービスに関する調査【前編】」も併せて御覧ください!飲食店検索サービスに関する調査【後編】はこちらから。

今後もWEB、アプリの2軸で展開するサービスの増加が予想されますが、サービスにおけるアプリのシェア率は、抱えた会員/ユーザーのロイヤリティを計測する指標と考えても良さそうです。

後編では、食べログのNPS調査の結果を中心にご紹介していきます!

注:NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

*調査結果から、本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、弊社サービスのクレジット
「TesTee(テスティー)調べ:https://www.testee.co」の表記をお願いします。

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調査期間 :2018年11月21日(水)〜 11月26日(月)
調査対象 :10代以上/ 男女 / 自社モニター会員 
割付方法 :16,007サンプル(10代男性3,434サンプル、10代女性3,108サンプル、20代男性2,124サンプル、20代女性2,137サンプル、30代以上男性2,631サンプル、30代以上女性2,573サンプル)

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このように、弊社のプラットフォームでは、豊富な若年層モニターに対してリサーチやPRを行うことが可能です。

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